インパールまでヒルクライム強行作戦、やっぱ坂嫌い
この子は自転車に乗せてあげたらベルをアホみたいにかき鳴らした。インド人の血だ。そのあとの坂で、しばらく自転車を押してくれた。優しい!
軽量ロードとは違うのだよ総重量35キロくらい?
400メートルくらい標高を獲得したところで死にそうになった。
病み上がりに無理したらダメだ。水も切れたし痔もまた出かかってる。
うん、やっぱり「漕ぎます」のパターンか。走行距離はまだ5キロ足らずだ。下ってバスでも乗ろうか。
俺はまだ登り始めたばかりだぜ、この長い男坂を! 未完!
とか言って。
バテてその場で座ってたら山からアーミーが下りてきた。
何やってんだ? とか聞かれてバテた、水もない。って答えたら、あと2キロ行ったらお店あるぞ、って教えてくれた。
店はそこから本当にすぐのところだった。
諦めるのは簡単だ。
でも、自分が知らないだけで、本当は、目的地はあとちょっとのところにあるのかもしれない。
みたいな教訓を得て水を買う。これでまた戦える!
山奥の寒村だけどしっかり電気が来ててペットボトルはキンキンに冷えてる。
日本にある道路予算のない田舎の県道みたいな感じ。景色もけっこう似てる。ガタガタで穴ぼこだらけだからスピードもそんなに出せない。せっかく700cタイヤなのに。
28cの太さだとギリギリな感じ。無理ではないレベル。
少し行くと車が長蛇の列になっていて、俺がバテて休んでたときにガンガン抜いて行った奴らだ。チェックポイントでものすごく混んでる。横をすり抜けて最前列まで行くと、フォーリナーはそこでチェックだ、って言われて小屋でパスポート見せて終了。
写真撮ろうとしたら禁止って言われた。
インド人らしい、馴れ馴れしい軍人で、1日何キロ走るんだとか今日は何キロ走ったのかとか、どこまで行くんだとか色々聞いてくる。
サイクルコンピュータの走行距離を見たらまだ10キロくらいしか走ってなかった。
そこからしばらくは下り。
Maps.mepでキャンピングって書いてあったところに行ったらポリさんが立ってる。
ここで泊まるねん、って言ったら、ダメだって言う。
宿のある次の町は20キロ先。時間は夕方5時。激坂山道土砂崩れもあるでよ。
あと、ここからは全部、無茶苦茶きつい登り坂だぜ。
ポリさんにそう脅される。
ユーズ ベイカント
って言われて空き? なんだそりゃって思ってたら、適当な車を止めて、その荷台に自転車を積んでくれた。
空車って意味か。
運転手さんは、すっげ迷惑そうな顔をしてる。
嫌だったんだ。
まあそうだろうな。
うん、結局車。
未舗装路の激坂をガンガン登っていくエブリィ。(たぶんだけど800cc)やっぱりスズキ車はよく走る。前にはアルトが走ってる。インドはスズキの国だ。
運転は上手い。全然酔わない。やっぱドライバーは未舗装路で鍛えなきゃダメだ。
そのうち標高が上がりガスってきた。気温も低くて肌寒い。
雲とガスの切れ間に綺麗な夕焼けが見えた。写真じゃ伝え切れないこの美しさ。
で、インパールの手前30kmの町で、荷物下ろすからごめんここまでねって言われて、kakchingというところで夜7時前。インドは広いくせに全部同じ時間、でこのあたりは東の端なのでもう真っ暗。
通常、シェアタクシーなどでモレからインパールへ行くのは500ルピー750円程かかる。泊まってた宿のオーナーも、先週車買って送るサービス始めたんだ、500でどうだ、って言ってた。自転車で登りたいんだって断ったけど。
こんな状況だし、降りるときにボラれても1000ルピー1500円くらいは覚悟してた。
まあ乗るときポリさんの指示だったしそこまで酷いことはないだろうと、でもドキドキしてた。
それがお金は一言も言われなかった。
自転車付きヒッチハイクみたいなもんか。こんなこともあるんだなあ。
まあそういう事もあるかもしれないので、モレからインパールに向かう人はよければ参考になさって下さい。
インドでも北部はやっぱり違う。
この辺はマニプールというらしいけど、人々の顔つきは日本人に似てた。
『はらうじゃれ』
ありがとう、って意味のマニプール語、さっき聞いておいた奴を言ってバイバイ。
※訂正! はらうじゃれは、私はとても幸せです、って意味だった。
ありがとうは『たがっちゃり』
そして宿を探すのだが、見つけたホステルが実は……。そしてこの後大変なことに!!!
次回へ続く。
国境の町、モレ
ここでまさか4日間も足止めを食らうとは。
体調不良に加えて、調子に乗って辛いものをたくさん食べすぎたせいだと思うけど、サドルに座るとその、ある部分に激痛が走る疾患をわずらってしまいました。(写真自粛)
一日何度も冷水バケツシャワーを浴びて患部を清潔に保ち、レストランでは大声で「ノースパイシー!!」と叫ぶ。だんだん腫れが引いてきて、マシになった。
隣室のインド人二人組に辛くない店聞いたりしてたら仲良くなってミャンマー 行こうぜってオートリキシャで連れていかれた、国境。
友好のために、免許とか簡単な身分証で行き来できるようだ。
多分町内に限る。
向こう側には活気のある商店街。
インド人二人組はコーヒーを奢ってくれた。このメガネかけてるのはDai SKくんと言って、日本人ぽい名前だって言うと喜んでた。
でもこの後で買ったウイスキーを回し飲みさせられて、痔が悪化。
連泊を余儀なくされた原因。
でもやっとマシになったのでインパールに向かおうと思う。地図見たら標高1.3キロ登るとかあったのでまた漕ぎますって言って車使おうかとも思ったんだけど、とりま自転車で。
なおこのあたりには首狩り族がたくさん住んでいるそうだ。
種まきの時期に豊作祈願で首を狩るワ族とか、インドとミャンマーに分かれて住んでいるナガ族、インド政府に対して長い間抵抗してた奴とか。
つい最近まで首切ってたらしい。ってことは、まだ切ってても不思議じゃない。
日本は戦国時代でやめた風習。
フランスじゃ革命のときくらいか。
社会的に首狩りが肯定されるって異様に思うけど、ちょっと歴史を遡れば人は野蛮だ。
あとテレビで有名な首長族、カヤー族の住む場所も結構近い。
長くして、切られやすくしてどうするんだ。
今日のわんこ
大通りに今回こそはガチでかわいいわんちゃん。
このコーナー海外のブサかわばっかり載せてるって自覚あったけどこの子はガチ。
つぶらなおめめがヤバイ
なんと二重まぶた!
ついでに宣伝。なろうで書いたラノベ短編、
『幼馴染がエロい言葉しか喋れなくなってしまった件』が
https://ncode.syosetu.com/n5153fs/
絶賛公開中!
今からインドに向かって自転車漕ぎます!!
この詐欺タイトルにも自分で書いてて大概飽きてきたけどこのブログを始めて見る読者様がこのページを最初に見つける事だって大いにあるわけだ。
漕ぐ、漕ぐと言ったが今回その時と場所については指定していない。この事をどうか諸君らも思い出していただきたい つまり・・・・我々がその気になればバスで行きます!
言い訳は、滞在日数。風邪のせいで、あと三日で国境行かないと不法滞在に!
自走とか、無理無理。
三列シートのバス代は28500チャットと自転車15000チャット。
お金用意してカウンターで払うと、
「じゃあ明日の2時に来てね!」
「なぬ?」
たしかにあとちょっと余裕はあるよ?
バスは15時間で国境の町に到着する。
出国しないといけない日の1日前には着くはずだ。
「今日にして!」
何回頼んでもダメだった。
バスステーションの近場にあるホテルが安かったのでそこにチェックイン。
なんと同室に日本人旅行者が二人も泊まっていて、仲良くなりました。
ミャンマーに来てありとあらゆるトラブルに見舞われ(洪水、詐欺、バスに置いてきぼり、カメラ故障、盗難)スマホも盗られて一時帰国するスバル君とか、パタゴニアのパクリでサイゴニアって書いて、山じゃなくてホーチミンの建物のシルエットでかたどりしてあるTシャツ着てたFB交換する前にタイに飛び立ってしまったベジタリアンのごめん名前忘れたサンとか。
あとホテル主催のパーティーがあるとか部屋に電話がかかってきて、コーヒーとジュースとポテチ用意してるからみんなに声をかけて参加しなよ、ってベルボーイが言って、中国人旅行者にパゴダの写真ひたすら見せられたりとか。
ミャンマーの最後でなかなか有意義な時間を過ごせた。
で、翌日。バスに乗り、寝てる間にタムーという国境。
バスに詰め込まれた自転車はドロヨケがちょっと曲がるくらいの被害で済んだ。
マイクロだと天井にそのまま載せるけど、大型バスだとタイヤを外せって言われた。
前後輪外してエンド金具だけ付けた状態で輪行。
下ろして曲がったドロヨケを指差して文句言った、けどスタッフはそんな俺の姿を見てニコニコするばかり。もー。
バス停からイミグレまでは、ひたすら直進しよう。
途中で曲がってすぐ橋とか渡る道を行くと無茶苦茶遠回りになる。
インターナショナルチェックポイント、インドミャンマーフレンドシップブリッジの手前、掘っ建て小屋みたいな二軒が建っている。右側のイミグレが正解。反対側は入国用。
橋を渡って左の泥道を登っていくと、インドのイミグレは立派なビル。
やっと手続き終わったら疲れが出たのか病み上がりに無理をしすぎたのか、ダルかったのでモレの町中に200ルピーの宿見つけて即宿泊。一日中寝てた。バスは言うほど快適じゃなくてあんまり寝れんかったし。
で、起きたら元気になってたからチャイとラッシーとSIMを買って今に至る。
インドのSIMはエアテルというところがとても安くて、買ってから28日間、1日につき1.4GBまで、350ルピー。日本円にして525円。日本で契約するのがアホくさくなる。
デメリットとしては、買ってすぐ半日くらい通信障害が起きた。
あと4Gつかえるはずなのに、アップロードが異様に遅い。
今日のブログに写真一枚しかないのもそのせい。
なので今日のわんこもお休みです。
ミャンマー で破損・汚損紙幣はセントラルバンクで交換
下ろしたお金が破れてた
ミャンマーじゃ破れたり穴空いてるお札は受け取ってくれない。
インドと一緒。
そのへんの銀行に行ってみた。
「変えて?」
「ごめんムリ」
「なんでよ!下ろしたらこうだったんだよ」
「レシートあるの?」
「捨てた」
「じゃムリ」
なんか普通の銀行じゃダメで、セントラルバンクという所に行けという。
中央銀行、ようは日本銀行みたいなもんだろうか。そんなの街中にあるの?
てかマンダレーにあるの?
maps.meで探すと最寄りが39km先とか。
遠いよ。こっちは病み上がりだぜ。
そしたら82strと26strのクロスしたところにあるよって言うから何とか探し出した。
距離200mくらい。
24hって書いたセブイレのパクリっぽい色のWiFi使えるコンビニの隣にある、地図に載ってないけどミャンマー語でしか書いてない銀行っぽい建物の入って左端の階段を登って二階を進んだ奥に、格子の嵌ったブースのある部屋。
説明して5000チャット札を出すと新札をくれた。
ふう。350円損しないで済んだ。
ドルから両替なんかの時も汚いお札混ぜられる場合があるので注意しよう!
今日のわんこ
コンプレッサー横の廃チューブは僕らにとっての豪華ソファーベッド!
絶対に、おまえなんかに譲ったりしねーっつーの! 固い決心が牙を剥かせる。
でも負けて逃げ出した子はクーラーのついた室内に入れてもらってた。
くやしくなんてないんだもん!
仏罰覿面!
ミャンマーは世界有数の仏教国。
観光地なんて寺しかないくらいだ。
なのにパゴダも知らなかった上に、んなもん一切見にいくつもりもないこの所業。(寺なんか一ミリも興味が湧かないんで)
風邪をひきました。
喉がいたい。
宿の人に、ファーマシーどこ? って聞いて、抗生物質の錠剤をGET!
日本じゃ処方箋が必須なやつ。
ウィルス性の奴には効かないし、乱用は耐性菌を作り出すリスクがある。
お腹も壊してたし、鼻水、咳もひどかった。細菌感染症ならマシになるだろう。
薬剤系のサイトを探して情報を得ると、このアモキシシリンは主に獣医さんが動物に出す薬だとか。OH! そりゃ安かったわけだ。10錠で900チャット63円也。
海外の薬は有効成分の含有量が適当だったりあまりお勧めは出来ない。
でも薬局ですぐ買えちゃう。
お手軽に買えちゃう。
これは本当はダメな事らしい。
耐性菌の出現を抑えるためにあのインドですら処方箋が必要になって来ているそうだ。
でもそれならただの風邪でもポイント稼ぎで大量に薬出される日本の医療は一体どうなんだ。
つまり専門家の既得権益は大事だって事。
こんなひねくれたことばっかり言ってるから仏罰的な風邪なんかひいちゃったのかなと思わなくもない。
早くミャンマー出国しないといけないのに、ビザ免除あとわずかで。
鼻でタバコなんか吸ったのが悪かったのかも。
熱でちょっと朦朧としてるんで、今日は短いけどこの辺ですみません。
ミャンマーで発見した美味しい中二
朗報! ミャンマーにも売ってます。
ダークファンタジー!
この無駄にカッコいい名前のクッキーはインドでよく食べた。
インド料理が嫌いなインド旅行者に絶大な人気を誇るダークファンタジー。
小分けでパックされてるので自転車に乗るなら補給食にもなる恥ずかしい名前に反して有能な奴。
800チャット約56円で6枚しか入ってない高級菓子。チョコがたっぷり入っててうまい。
インドでは60ルピー約90円だったので、ミャンマーの方がお買い得。
×追記 記憶違い。30ルピー45円程度。インドで買おう。
『ダークファンタジーを使ったグレートなデザートの作り方を知ってるかい?もっと知るためにこのQRコードをスキャンするんだ』
http://qrbridge.me/dark-fantasy
コルカタのITC LIMITEDって会社が作ってる。
ミャンマーを北に行くにしたがって、少しずつインドっぽくなっていく。人の顔もだし、車がクラクションを多用しだしたりとか。
マンダレーにはプレジデントというローカルフードの店があってそこはそこそこ綺麗で安くて食べれるものがある。
これは味が薄かった。
八宝菜そっくりな味
日本でいえば大阪だ。
現地の人に、ボケたら突っ込んでくれるのか試してみた。
朝っぱらからヒマそうにしてる人を探して小一時間街をさまよう。
いた。オートリキシャの運ちゃんだ。
「タクシー探しとんけ?」
「ちゃいまんねん、ただ歩いてまんねん」
ベタに鼻でタバコを吸う。
「ほな、この先ちょっと行ったらタイコーはんのお城がありまっせ」※マンダレー王宮のこと。イギリスに支配されるまで最後の王朝があった。お堀に囲まれてる。
「しやけど高(た)こおまんねやろ?」
「一万チャットもしよるんや」
鼻タバコ、一切スルー。
他に耳で吸ったり、目で吸って「いたいいたい」って言ってみても冷たい視線が突き刺さるだけでこれという反応はなかった。
だからこいつはなかなか出来る奴だと思う。
「おおきに、けったいな事に付き合わせてしもてすんまへん」
マンダレーは南の方に比べて雨が少ないので過ごしやすい。
一日中続く豪雨に一瞬だけくもりになるモーラミャインとかダウェイと比べて、そこそこ晴れてて1日1〜2回土砂降りになるくらい。
ミャンマーの観光といえばパゴダくらいしかないらしい。でも寺とか全然興味ないんで全力でスルー。なんで来たんだ……。
何か他に面白いものを探そう。
世界でいちばん贅沢な旅
内田百閒という作家の先生がいる。読み方はひゃっけん、夏目漱石の弟子だった人だ。
阿房列車、あほうれっしゃという、ただ電車に乗ってお酒を飲むだけの旅。その随筆、エッセイを書いていてそれが面白い。
著作権法改悪のせいで保護期間が没後70年に延長されたので残念ながら青空文庫じゃあとしばらく読めない。
観光するでもなく、用事もなくただ電車に乗っていろんなことに行くだけ。大量の魔法瓶に詰めて持って行った熱燗が、電車待ちのホームで飲み尽くされて無くなる。
例えば旅をする人で、気負って日本一周だとか世界一周だとか標榜する人が多い。
旅行中に日本人に会うたびにこう聞かれる。
「世界一周ですか?」
別に一周なんてしないですよ。
そう答えると、何故か困ったような顔をされる。
フラッと気の向くまま行きたい場所に行くだけです。
何でわざわざお金かけて、つまんない場所も込みで一周しないといけないの。
世界一周中のバックパッカーです。
そう言うと、ポジションがはっきりするのでわかりやすいのだ。
人は自身がすでに持っている認識の中でしか、他を認識出来ない。
例えばミャンマーまで来ておいて、俺はバコダだかパコタだかいうものを知らない。
だから目の前にそれがあったとしても、きっとへんな石?建物?寺なの?があるな、だとしか思えない。
ググって、(既に知っている)言葉を使った説明を読んだり写真を見て初めて、あパゴダだったのか。ストゥーパとおんなじ意味なんだ、というのが分かる。それを理解した時点でやっと、目の前の建物が認識出来る。それまでは、例え目に写っていたとしても見えない、よく言って妙な背景に過ぎない。
じゃあ何も知らない子供や赤子が認識出来る世界を広げられるのは、興味や好奇心があるからだ。
海外旅行者をも含めた大半の日本人の認識の中では、海外長期旅行をする人は世界一周するものだという固定概念が植え付けられていて、そこからはみ出したものを見ても変種くらいにしか感じられない。
それに対する興味もないのだ。
生真面目な、ともすれば休みなしで働き続けるデスレールウェイを現在進行形で走り続けている日本人。
彼らがそこを脱線するためには世界一周という大義名分、別の軌道が必要なのを否定はしない。
東回りだか西回りだか興味がないから知らないけど、みんなが通った軌跡を踏襲すれば一定の評価が得られる。一周なんてすごーい。偉いね、頑張ったんだー。SNSでもブログでもいいねとか星がついて、まだ行ったことのない人にマウント出来て、ちやほやされるんだろう。
そこからはみ出したら、何もないから。
ただフラッと電車に乗って酒を飲んで、近所を自転車で散策して変な岩とか寺みたいな奴をよそ目に現地人と笑いあったり騙されたり。
そんなものは、無価値だから。
価値のあるものにしか意味を見出せないから。
でも見聞を広めるといってしゃかりきに名所名跡をはしごしたとて心に何が残るのか。高い入館料を払ってタージマハルに行って見たその印象は、心の中にしか存在しないブラックタージマハルに優るのか。
内田百閒先生は電車で行った山形だったか秋田だったかの、鳥海山の麓の宿に泊まってずっとお酒を飲んでいた。
ふと思いたって、宿の人にあのなんとか言う有名な山はどれですかと尋ねると、あれですと指さされた。でもよくわかんなかったからまあいいやと飲み直す。
お金がないから借金をして旅に出る。
必要な旅じゃないから借金を断られても腹が立たない。
これこそが余裕で、それこそが贅沢なわけです。
なんの意味も理由も目的もなく、行きたいと思った旅をするだけ。
価値や評価に自縄自縛してつまんない事をするのは俺には無理だなあ。
ゲストハウスにはいろんなタイプがあるけど一番嫌いなのは常連宿。
何度も来てて、住み着いてるような奴がのさばってるところは面倒くさい。
なんでフラッと立ち寄った場所で知らない奴にでかいツラをされないといけないのか。
陽気な外人が夜中まで騒いでるやかましい宿よりもよっぽど嫌い。
新規の客より要領を知ってる常連の方が扱いが楽なのはわかる。
バーでも同じだけど、マスターが常連とだけ喋って新規を疎かにするところは、いくら今流行っていても次第に廃れる。
新参に厳しいところに未来なんてない。
自分が常連になればいい?
そしたら後から来た新規の客にでかい顔を出来るって?
それは京都人とかフランス人がしてるような勘違いだ。
うちは一見さんお断りどす。歴史と伝統。んなもん豚だって食わねーよ。ワインなんぞ楽しく酔えりゃいい点でビール以下。値打ちこいてる屑。埃を被ってカビが生えた過去の遺物、ハッタリで偉ぶらなきゃ食いつなぐこともできない。
あらかじめ著名人だか誰かに認められた存在、それにしか価値を見出せない貧しい発想しか出来ない人だけがありがたがって重宝する。ヴィトンのカバン、デュラエースの電動コンポ。
何度でも言うけど、それは全部頭の悪い勘違いだ。ワインなんかだいたいマズい。京都なんてほとんどつまらん。現地じゃババアしか買わない鞄のあの変な模様に見栄以上のどんな価値があるのか。無段階トロイダル式コンピュータ制御オートマチックにはいつ変わるのか。
世界を回ってわかるのは、どこに行ってもそういうバカがたくさんいることと、でもそうじゃない人もいるってこと。
そういう人に会えた時だけ、たまに幸せを感じる。
上っ面だけじゃなくてほんとに仲良くなれるのも。
今日のわんこ
モーラミャインの安宿の一番近くにある屋台。そこに顔を出したのは野良ちゃん。
耳が大きいね!
音がよく聞こえそう!
でも鼻きったないね!
何か掘ったの??
自分の承認欲求のために友達のFBのタイムラインを汚さないようにはじめた当ブログ、それでもこんな駄文を読ませるだけじゃ読者の皆様に申し訳ないのでかわいい世界のわんこ動画を乗せるのがこのコーナーの意図です。