インドの秘境、東北地方からアッサムまでその1
ディマプールを過ぎて道はまだ悪い。
グローブは無いと手が痛いから適当なスポーツ店で新調した。500ルピー也。
数百メートルおきにダートがある。
州境のゲートの警官が「暑いだろ、座ってけ」
ってアッサムティーとクッキー出してくれた。
俺の写真は撮っちゃダメって言われたんでポリさんは撮れなかった。
出発してすぐだったけど直前の坂で汗だくだったので小一時間休憩。タダでペットボトルの水もくれた。
そこからしばらく自転車漕ぐとこの爽やか男。
お前もチャリなんけ、一緒に行くばい、と。
こいつがすごいタフ。
ディプーという街から今朝ディマプールまで着いて、戻ってる途中だそうだ。買い物でもしたのって聞くと、ただ走ってただけ、トレーニングらしい。
マンジャという40キロ程先の町までタンデムツーリングしたけどついてくのが辛い。
全然休憩しない。
夕方くらいに着いて、ブッディストだろ寺を見に行くぞって言われてさらに二、三キロ。
寺なんか興味ないんだっつーの。
で宿。マンジャにはゲストハウスがあって、優秀なmaps.meの地図通りの場所だった。
クソグーグルマップでは、道路のど真ん中に宿があるなんて出た上に、そんな宿はこの世のどこにも存在しなかったりする。使えない奴筆頭。
バーンリー君は明日また来るね、って言ってディプーという16キロ離れた隣町まで帰っていった。
宿は400ルピーもしてちょっと高いけど他にないので仕方ない。
レストランの場所を聞いた子供たちと仲良くなった。
「自転車なの? じゃあ明日一緒に景色のいい丘とレクリエーションパークに遊びに行こう!」
「えー」
早朝に出て次の町に向かう予定だったのに。
インドの東側は日の入りの時間がめちゃくちゃ早く、午後五時過ぎには暗くなる。
そのかわり朝四時には空が明るくなってくる。
距離を稼ぐには早起きして自転車漕ぐしかない。
「やだよめんどくさい」
なんかこいつら石を投げて、ビー球くらいの丸くて緑色をした木の実を落として食べるんだわ、それがシブえぐ酸っぱいというか全然うまくないの。で、水飲めって言うから飲むと反動なのか水がとても甘く感じる。名前は聞いたけど忘れた。
ググったらアーユルヴェーダで使われる果実だとか。安室ちゃんのファンみたいな名前って覚えてた
じゃあ次はレクリエーションパークね!
やだよもうしんどいよ、帰る!
いや、なんか動物とかいるって言うから。
ここにはワニがいるんだって見た檻の中は空。
「逃げたのか?」
「まっさかー笑 」
まじで怖いんだけど。
あとは、滑り台とブランコとシーソーがあった。近所のちびっ子広場レベルじゃねーか!
入場料は20ルピーもとられたのに!
楽しそう。子供は無邪気でいいなあ。
こっちはもうおっさんだからね。
滑り台なんかで喜べるのはせいぜい小学生くらいまでなんだよっ!→結果
動物もいるにはいた。
シマの消えたトラとか象の像とか、マーマルはスタチューのみ。
環境保護!
悟空のモデルになった奴。
一台は一瞬でチェーン外れるわ、一台は余裕でサドル割れてるわ、六人で四台、最初は1人俺のスーパーマシンに2ケツのつもりだったらしくて、デリケートだから無理って断ったら一台足りなくてどっからかなんとか調達してくるわでめちゃくちゃだった。けどみんな笑顔。
年齢的にこのくらいの子供がいてもおかしくないくらいなんだから、ちょっとテンションについてけないわ。
さすがに出発は無理で午後は宿で寝てた。
その道中の路面がガタガタすぎて、とうとうリアのフェンダーが割れた。
before
穴がバキバキに。ガムテとボンドで補修することにした。
after
割れたとこ金のこで切ってドリルでねじ穴開けたら前に詰めれると思ったけど、これが結構丈夫で100キロ走ったあとも問題なかったからそのまま今も続投中。
宿に住んでるらしいその中の1人の家族
インドからバングラデシュとネパールに挟まれて、痔のように飛び出した東北地方。
ここにはインド独立よりも前からずっと政府に対する確執がある。
イギリスからインドが独立する前日に、ナガランドが独立宣言しちゃったりとか。
ごく最近まで外国人には閉ざされた危険地帯だった。
日本人はナガ族と顔が似ているので、チェックを素通りして行けてしまったなんて事もあるそうだが、最近まで外国人制限エリアで許可証が必要な秘境だった。
各部族の独立の為の戦いが行われていたし、停戦だってその中の一部族が主導して行ったに過ぎない、東パキスタンがバングラデシュとして独立した後、支援勢力を無くして弱体化したそうだ。
それでもアンダーグラウンドと呼ばれる活動家が普通にいて独自で警察行為などを行なっている。表立ってアーミーと対立している姿こそ見ない。でも私服で検問してる奴とか州境にいたりする。
子供達のうちの一人は、親戚がアンダーグラウンドのポリスなんだって自慢してた。
90年代までナガ族による首狩りが行われていて、インド本土からは未開の蛮族め、みたいな差別を受けているそうだ。でも本当は人々は温厚で親切。本土のように濃い顔の髭ダルマはいなくて肌色を除けば日本人にも見えるモンゴロイド。
旅人には、それが物珍しいからというのも大きな理由だろうけど、騙したりぼったくられたり危ない目にあわせられたりなど一切なかった。
あまり人に勧めて荒らされたくないからいい事書きたくないけどこのブログのアクセス数考えたら誤差みたいなもの。慰霊碑におしっこかけちゃった、みたいな最低動画あげて炎上でもしたらバカ読者が増えそうだけど、バカ増やしても仕方ないからね。
ちなみに昨日のバーンリー君は夜行くって言って来なかった。
で、翌朝来た。なんというインド時間。
それから次の町まで60キロ付いてきてくれたのだった。
マンジャから先はロードコンディションがいいから楽勝だよ!
って。たしかにダートは数キロに一回くらいに減った。
休憩なしで何キロくらい走れる? って聞いたら100キロかな、って。
ノットオンリー フラットロード、バットオールソー ラフロード らしいです。
元気すぎ。
今日は風がちょっと涼しいねー、って、暑いわッ!!
前三速なんだけど外側のネジ締めたらアウターから戻らなくなって焦った。
日本のロード乗り西○君にラインしてアドバイスもらった。結局緩めたら直った。
ディマプールで女の子見てたらコケたとかで、前輪のディスクブレーキから異音。
パッドの引きずりはQR付け直したら直ったけど音はそのまま。謎。